檜が韓国で大ブーム~林業・加工業者・家具メーカーはどう動く?...

2015-04-10

今、韓国では日本の檜(ヒノキ)が大ブームになっています。日本の林業が海外に進出する時代になったのです。

 
林業
 

韓国に行ったことのある人であれば、すぐにお分かりいただけると思うのですが、韓国の消費市場はすでに成熟期に入っています。物の量的な豊かさから、日本と全く変わらない質的な豊かさを求める社会へと転換が始まっており、健康ブームも起こっているのです。

そこで日本の檜が注目されています。韓国では、5年ほど前から健康番組で檜が紹介されるようになり、健康に良いものだという認識が広まりました。受験戦争大国の背景もあるためか、『檜のベッドは子供の勉強の集中力を高める』といった付加価値がPRされ、大人気になりました。

今では、ソウルの中心街には檜製品の専門店も誕生し、たくさんの中間層、富裕層が利用するようになっています。檜のベットはもちろん、贅沢な商品では、檜の入った枕や布団なども販売されています。檜の香りに包まれていたいというニーズに合致し、大変人気のようです。

実は、韓国でも檜は生産されています。ですが、日本製の方が香りが強く、高級品として流通しています。檜丸太として原材料を日本から仕入れて、加工は韓国国内で行うというビジネスモデルが、現在の檜ブームの主流です。

今では、日本からの檜の供給が、韓国での需要に追いつくのかが心配されているほどに、市場は活性化しています。

ですがこの『供給が追い付くのか』という問題の本当の意味は、韓国での需要が高まりすぎているからというものではなく、日本国内の問題なのです。理由は、林業に従事する人の減少にあります。国内需要の減少から、価格も下落傾向。若い人が林業に就かないという事情から、木を切る人がいなくなっているのです。

日本の国土の3割は人工林で、今日現在で言えば、出荷できる原材料はたくさんあります。ですが、林業は生産のサイクルが長いため、今、木を植えても収穫できるのは50年、60年も後。自分ではなく子供や孫が収穫するという世界です。現役世代がますます高齢化する中で、日本の林業の未来はとても心配な状況にあります。

そこで注目されるのが、輸出市場です。日本では曲がったキュウリが安くなってしまうように、消費者が敬遠する見た目というものがあります。ですが、海外の消費者は気にしないこともあるので、そのような違いは輸出市場の強みです。檜でも同じ現象が起こっており、日本では節のある丸太は安値になってしまいますが、韓国ではそれでも高く売れるのです。この違いは、日本にとってとてもありがたいことです。

今、韓国の檜ブームに便乗しようと、たくさんの建築資材メーカーが韓国に進出しようとしています。建材見本市なども開催され、資材だけでなく家具も幅広く出展されるようになりました。家具も、日本向けの洗練されたデザインを採用しつつ、素材を檜に変えることで、韓国の富裕層に売れるようになるようです。

前述のように、加工品については、すでに韓国国内メーカーとの差別化競争が始まっています。オンドル(韓国式床暖房)などでも、檜を使ったフローリングが提供されるようになっています。これは、日本の加工メーカーがリードし、熱に弱い檜を、日本の強みであるハイテクと伝統的な技術で加工し、韓国メーカーが真似のできない製品を生み出すことができています。

素材の輸出だけでなく、素材に合う技術も輸出する。これこそ、日本企業の戦略だと言えます。とても心強いですね。

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